育児休業は労働者(男女)の子どもが1才になるまで取得できる国の制度です。
『パパ・ママ育休プラス』を利用すると、両親がともに育児休業を取得する場合、子どもが1才2ヶ月になるまでの間に1年間の育休を取得できます。
一見、パパママ育休プラスは、1年間の育休期間が1年2ヵ月間に延長されるように見えます。
しかし、じつは「子どもが1歳2ヵ月になるまでの間の1年間に育休が取得ができる制度」なので、育休期間が1年以上に延長されるわけではありません。
パパママ育休プラスは2010年にできた制度で、施行されてからすでに10年以上が経過していますが、制度自体がとても複雑でメリットがまったく感じられなかったため、私たちは利用しませんでした。
今回は、そんなパパ・ママ育休プラスをわかりやすく解説します。
スポンサーリンクいつまで?パパ・ママ育休プラス利用時の育休期間
育休期間について「通常」と「パパ・ママ育休プラス利用時」の違いについて解説します。
通常の育休期間中にもらえるお金については、こちらの記事【いくらもらえる?育児休業給付金】でくわしく解説しています。
通常の育休期間はどのくらい?
通常の育休期間は下図の通り、原則1回、子どもが1才になるまでの最長1年間取得できます。
保育園に入れない等の事情がある場合は、最長2年まで延長ができます。
育休期間を延長する方法については、こちらの記事【最長2年!育休延長の裏ワザ】でくわしく解説しています。
パパ・ママ育休プラスを利用すると育休期間はどう変わるの?
パパ・ママ育休プラスを利用した場合は、下図の通り子どもが1才2ヵ月になる間の1年間に育休を取得できます。
育休期間は、パパママ育休プラスを使っても1年間。1年2ヵ月間に延長されるわけではないんだね。
専業主婦(主夫)も使えるの?パパ・ママ育休プラスの要件
パパ・ママ育休プラスは、簡単に言うと、両親が育休を取るなら「1歳2ヶ月までの間に1年間の育休が取得できますよ~」という制度ですね。
パパママ育休プラスを利用するには、「両親がともに育児休業をする」ことが前提です。
下記3点の要件を満たせば、子どもが1才2ヵ月になるまでの期間の内、1年間育休を取得できます。
「両親がともに育休をすること」が前提のため、育休を取得できない専業主婦(夫)は、パパママ育休プラスが使えません。
パパ・ママ育休プラスのデメリット3選
「通常は1才までに1年間」の育休期間を、「パパママ育休プラスを使うと1才2ヵ月までの間で1年間」にずらすことができます。
パパママ育休プラスを使うと、期間に融通が利きそうなイメージがありましたが、調べていくとデメリットの印象が強すぎて、使おうと思えませんでした。
私たちが感じたデメリットを3つご紹介します。
【1】出産後、ママが一番大変な時期に育休が取れない
パパママ育休プラスを利用して子どもが1歳~1歳2ヶ月の間にパパが育休を取得したいと思った場合、出産直後の1番ツライ時ではなく、生後3ヶ月め以降に育休を取得する形になります。(パパが育休を取得できる期間は最長で1年間のため。)
里帰り出産などで、赤ちゃんとの生活が3カ月目以降になる場合は、パパママ育休プラスを利用して3カ月目~1才2ヵ月の間の1年間に育休を取得すると良いです。
里帰り出産には便利な制度だよね!
しかし、すぐに赤ちゃんとの生活がスタートする場合は、体力的にも精神的にも一番大変な時期である退院直後~3ヵ月くらいの時期に育休を取得することを強くオススメしたいです。
ただし、育休期間は最長でも1年間なので、退院直後から育休を取得した場合は、パパママ育休プラスを利用しても1才~1才2ヵ月の間に育休を取得することはできません。
はじめての子育てで1番大変な時期は、退院後~3ヶ月頃でした。この時期は2~3時間おきに赤ちゃんのお世話をしなければならないので、睡眠不足で情緒不安定になり、本当に大変でした。
どうしても子どもが1才~1才2ヵ月の時に育休を取りたい場合は、パパ休暇とパパママ育休プラスを併用すれば、退院後しばらくの間と、1才~1才2ヵ月の2回に分けて育休を取得することもできます。
パパ休暇については、別の記事でくわしく解説します。(令和4年(2022年)10月1日より産後パパ育休(出生時育児休業)が創設されますので、パパ休暇についてと併せて記載したいと思います。)
【2】勤務先経由でハローワークに申請しなければならない
パパママ育休プラスを利用するには、「勤務先経由でハローワークに申請が必要」になります。
通常の育休は、配偶者が育休を取得しているかどうかを問われることはありませんが、パパママ育休プラスを利用するということは、「『夫婦ふたりとも育休を取得している』と勤務先に伝える」ことになります。(制度の仕組み上、当たり前なのですが…)
申請方法は、勤務先経由で下記の書類を提出するだけなので、簡単です。
書類の提出は簡単ですが、しかし…
頭の固い会社の人だったら、「奥さん育休取ってるのに、夫婦で延長する必要あるのか?」とか言われそうですよね…。
【3】制度の要件が複雑でわかりにくく、使いにくい
厚生労働省のホームページを見ると、パパママ育休プラスについては下記の通り記載されいています。
両親がともに育児休業をする場合に、以下の要件を満たした場合には、育児休業の対象となる子の年齢が、1歳2か月にまで延長される制度です。
<要件>
①配偶者が、子が1歳に達するまで育児休業を取得していること。
②本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること。
③本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること。ただし、1人当たりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)は変わりません。
引用元:厚生労働省HP
制度の要件は上記3点ですが、育休開始日に注意しないと制度が使えなくなる場合があります。
パパママ育休プラスが使える場合…
まずはパパママ育休プラスが使えるケースを3パターン紹介します。
①パパとママが交代して育休を取得する
ママの育休が終了する時に、パパがパパママ育休プラスを利用し、子育てを交代できます。
②パパとママが同時に育休を取得する
パパママ育休プラスを利用して、パパとママが同時に育休を取得することもできます。
③配偶者が職場復帰した後、期間を空けて取得する
ママが職場復帰した後、しばらくたってからパパが育休を取得することができます。
いずれの場合も、子どもが1才2ヵ月になるまでの間の1年間に育休を取得することができます。
パパママ育休プラスが使えない場合…
意外と多く1日でも開始日がずれてしまうと、パパママ育休プラスが使えなくなります。
今回は、パパママ育休プラスが使えない代表的な2つのパターンをご紹介します。
①子どもが1才を過ぎてから育休開始する
パパママ育休プラスの要件の1つに
育休開始予定日が子どもの1歳の誕生日前であること
となっており、育休開始日が子どもの1歳の誕生日を過ぎてしまうと、パパママ育休プラスは使えません。
②配偶者の育休開始日が、本人の育休開始日よりも前になっている
パパママ育休プラスを利用する場合は、
本人の育休開始予定日は、配偶者の育休の初日以降であること。
という要件もあるため、パパママ育休プラスを利用する場合は、配偶者の育休開始日にも注意が必要です。
他にも使えないケースが、厚生労働省発行の資料(P20~)に記載されています。
(古い資料ですが、上図以外でも制度が利用できない事例が具体的に記載されています。)
こんな使い方もある!パパ休暇とパパママ育休プラスの合わせ技
通常1回しか取得できない育休ですが、「パパ休暇」はもう一度育休を取得できる制度です。
(*2022年10月1日~の法改正で廃止になり、「産後パパ育休」に変わります。くわしくはこちらの記事【新しい育休制度「産後パパ育休」をわかりやすく解説!】をご覧ください。)
パパ休暇について、厚生労働省のHPには次のように書かれています。
通常、育児休業の取得は原則1回までですが、子の出生後、父親が8週間以内に育児休業を取得した場合には、特別な理由がなくても、再度育児休業が取得できる制度です。
<要件>
引用元:厚生労働省HP
①子の出生後8週間以内に育児休業を取得していること。
②子の出生後8週間以内に育児休業を終了していること。
8週間以内に取得して、8週間以内に終了しなければならないから、長期では休めないね。
そうだよね~。
長期で休むためには、パパ休暇とパパ・ママ育休プラスを組み合わせて使うといいよ!
育休取得を悩んでいらっしゃるパパさんは、まずは産後8週までに1度パパ休暇を取得しておくことをオススメします。
制度を十分に活かして、多くの人が育児を楽しめる様になるといいなぁ~と思います☆
(*2022年10月1日~施行される「産後パパ育休」については、こちらの記事【新しい育休制度「産後パパ育休」をわかりやすく解説!】をご覧ください。)
まとめ:デメリットが強すぎて、私たちには使う理由がなかった
いかがだったでしょうか?
パパママ育休プラスには3つのデメリットがあります。
デメリットが強すぎて、私たちは利用したいと思いませんでした。
「パパ休暇」と併用する場合など、使い方によっては使い道があるかもしれませんね
1才を過ぎて保育園に入れない場合など、申請すれば育休期間を1才6ヵ月(最長2才)まで延長することができますので、申請方法については、こちらの記事をご覧ください。
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